ブランドカラーの決め方|色の印象と失敗しない配色の考え方

もくじ

 

起業してロゴを作るとき。
ホームページや名刺を作り直すとき。あるいは、会社の見せ方を見直すリブランディングのとき。
「うちの会社の色って、何色にすればいいんだろう?」と迷ったことはありませんか?

 

ブランドカラーの決め方に、たった一つの正解はありません。
ただ、なんとなく好きな色で決めてしまうと、
「ロゴでは素敵なのに、ホームページにすると読みにくい」
「印刷したら思っていた色と違う」
といったことが、後から起こりやすくなります。

 

大切なのは、色を「好み」ではなく「伝えたいこと」から選び、使い方のルールまでセットで決めることです。

 

今回は、色が与える印象の基本から、明度・彩度で印象を整える考え方、業種・ターゲットに合わせた選び方、リブランディングで色を見直すときのポイント、失敗しない配色の組み方、色を数値で共有するコツまでご紹介します。

 

 

ブランドカラーとは?会社の「第一印象」をつくる色

 

ブランドカラーとは、会社やお店、商品を象徴する色のことです。会社全体を表す色は「コーポレートカラー」と呼ばれることもあります。

 

ロゴ、ホームページ、名刺、パンフレット、看板、制服。
お客様が目にするあらゆる場所で同じ色が使われていると、
「この色といえば、あの会社」と覚えてもらいやすくなります。

 

◉ブランドカラーが担う3つの役割

覚えてもらう:同じ色をくり返し見せることで、色と社名が結びつきます。
印象を伝える:誠実、親しみやすい、高級感がある、といったイメージを言葉より先に伝えます。
ほかと見分けてもらう:同じ業界の会社と並んだとき、色の違いがそのまま「違い」として目に入ります。

 

◉デザイナーは「色そのもの」より「何を伝えたいか」を先に聞く

私たちデザイナーがブランドカラーの相談を受けたとき、最初に「何色がお好きですか?」とは聞きません。
先に聞くのは、「お客様にどう感じてほしいですか?」ということです。

たとえば「信頼できる」「話しやすい」「新しい」「昔ながらの安心感」など。
この言葉が決まると、選ぶべき色の範囲はぐっと絞られます。
色は、伝えたいことを目に見える形にするための手段なのです。

色が人に与える印象については、[色が人に与える印象とは?Webデザインにおける色の役割と選び方](https://tempront.design/色が人に与える印象とは?webデザインにおける色/)でも詳しくご紹介しています。

 

 

色が与える印象と、業種・ターゲット別の考え方

 

まずは、代表的な色が持つイメージを押さえておきましょう。
ここで挙げるのは、日本で一般的に持たれやすい印象です。

 

 

代表的な色のイメージ

赤:情熱、元気、行動力。目を引く力が強く、飲食や販促でよく使われます。
青:信頼、誠実、冷静。金融、IT、医療、士業など「安心して任せたい」業種と相性がよい色です。
黄:明るさ、楽しさ、注意。遠くからでも目に入りやすい反面、文字色には向きません。
緑:自然、健康、安心。環境、農業、医療・介護、オーガニック商品などで使われます。
オレンジ:親しみ、活発さ、温かさ。子ども向けや地域密着のサービスに向いています。
紫:上品、神秘的、個性的。美容や占い、高価格帯の商品などで使われます。
黒:高級感、力強さ、洗練。ファッションやプロダクトブランドに多い色です。
白:清潔、シンプル、誠実。単独ではなく、ほかの色を引き立てる土台としても大切です。

 

業種とターゲットの「両方」から考える

業種ごとによく使われる色は、ある程度決まっています。
たとえば、病院やクリニックは青や緑、飲食店は赤やオレンジが多い、といった具合です。

業界の定番色を選ぶと、ひと目で「何の会社か」が伝わりやすくなります。
一方で、同業他社と並んだときに埋もれやすいという面もあります。

そこで考えたいのが、誰に向けたブランドかです。
同じ業種でも、届けたい相手が違えば選ぶ色は変わります。

 

 

色味だけでは決まらない|明度と彩度で印象を整える

 

意外と見落とされやすいのが、色の明るさ(明度)と鮮やかさ(彩度)です。
「青にしよう」と決めただけでは、まだ半分。
私たちデザイナーは、色の種類(色相)と同じくらい、明度と彩度の組み合わせで印象を調整しています。

 

色をつくる3つの要素

色相(しきそう):赤、青、緑といった「色味」のこと。
明度(めいど):色の明るさのこと。白に近づくほど明るく、黒に近づくほど暗くなります。
彩度(さいど):色の鮮やかさのこと。高いほどくっきり派手に、低いほどくすんで落ち着いた色になります。

 

 

デザイナーの判断基準:「トーン」をそろえる

 

メイン・サブ・アクセントなど複数の色を組み合わせるときは、明度と彩度の組み合わせ(トーン)をそろえると、全体がまとまって見えます。

 

鮮やかな色どうし:にぎやかで元気な印象(子ども向け、イベントなど)
淡い色どうし:やさしく軽やかな印象(美容、ベビー用品など)
くすんだ色どうし:落ち着いた大人っぽい印象(インテリア、カフェなど)
暗い色どうし:重厚で格式のある印象(老舗、高級品など)

 

 

失敗しないブランドカラーの決め方5ステップ

 

ここからは、実際にブランドカラーを決める流れをご紹介します。

 

ステップ1:ブランドの「らしさ」を言葉にする

会社の理念、大切にしていること、お客様にどう思われたいか。

これを3〜5個のキーワードに書き出してみましょう。

(例:「誠実」「地域に根ざした」「ていねい」「少し遊び心がある」)

 

ステップ2:届けたい相手を具体的にする

年齢、性別、住んでいる地域、どんな場面で自社を知るのか。

相手の姿が具体的になるほど、「この人に響く色か?」と判断しやすくなります。

 

ステップ3:競合の色を調べる

同じ地域・同じ業種の会社のホームページやロゴを10社ほど見てみてください。

定番の色と、まだ誰も使っていない色が見えてきます。

定番に寄せるか、あえて外すかは、ステップ1・2のキーワードと照らし合わせて決めます。

 

ステップ4:候補を2〜3案にしぼる

キーワードに合う色を、明度・彩度の違いも含めていくつか選びます。

このとき、1色だけでなく、後でご紹介する「メイン・サブ・アクセント」の組み合わせで考えるのがおすすめです。

 

ステップ5:実際の使用場面で試す

候補の色を、ロゴ、名刺、ホームページのトップ画面、看板などに当てはめて見比べます。

色見本の小さな四角で見るのと、画面いっぱいや看板サイズで見るのとでは、印象がかなり変わります。

スマホの画面、パソコンの画面、印刷した紙の3つで確認しておくと安心です。

 

 

リブランディングで色を見直すときの考え方

 

ブランドカラーを決めるのは、起業のときだけではありません。

事業の幅が広がった、お客様の層が変わった、会社の想いを改めて伝えたい。

そんなタイミングで、ロゴや色を見直す「リブランディング」を行う会社も多くあります。

 

色を見直したほうがよいサイン

・今のお客様の層と、色の印象がずれてきた(例:若い世代を増やしたいのに、色が重く古く見える)

・新しい事業やサービスを始めて、今の色では伝えきれなくなった

・媒体ごとに色がバラバラになり、どれが正しい色か分からない

・同業他社に似た色が増えて、見分けがつきにくくなった

・画面で見ると読みにくい、ボタンが目立たないなど、Webで使いにくい

 

「全部変える」か「整える」かを先に決める

リブランディングというと、色を一新するイメージがあるかもしれません。

ですが、長く使ってきた色には、お客様の「見覚え」という財産があります。

私たちはまず、今の色の何を残し、何を変えるかを整理するところから始めます。

 

 

メイン・サブ・アクセントで考える配色の組み方

 

ブランドカラーというと1色を思い浮かべがちですが、

実際のデザインでは、役割の違う数色をセットで決めておくと、とても使いやすくなります。

 

配色の役割分担

・ベースカラー:背景や余白など、いちばん広い面積に使う色。白や薄いグレー、生成り色などが多いです。

・メインカラー:ブランドの顔になる色。ロゴや見出し、帯などに使います。

・サブカラー:メインカラーを補う色。メインと相性のよい、なじみやすい色を選びます。

・アクセントカラー:ボタンやお知らせなど、特に目立たせたい場所にだけ使う色です。

 

面積のバランスは、ベースが最も広く、メイン、サブと続き、アクセントはごく一部にとどめるのが基本です。

アクセントカラーを使いすぎると、どこが大事なのか分からなくなってしまいます。

 

アクセントには、メインカラーと反対側の色(補色に近い色)を選ぶと、少ない面積でもしっかり目に留まります。

 

 

よくある失敗と、良い例・悪い例

 

ここからは、ブランドカラーでよくある失敗を、良い例・悪い例でご紹介します。

 

よくある失敗1:経営者の好みだけで決めてしまう

「社長が好きな色だから」という理由だけで決めると、

ターゲットのお客様に響かなかったり、業種のイメージと合わなかったりすることがあります。

 

・悪い例:子ども向けの学習塾なのに、社長の好みで黒と金を選び、高級で入りにくい印象に

・良い例:社長の好きな青を残しつつ、明るい水色と黄色を組み合わせ、親しみやすさを出す

 

よくある失敗2:流行色に合わせすぎる

その年に流行している色は、今は新鮮に見えます。

ただ、ブランドカラーは何年、何十年と使い続けるものです。

 

・悪い例:流行のくすみカラーだけで全体をまとめ、数年後に古く見えてしまう

・良い例:メインカラーは長く使える色にし、流行色はキャンペーンや季節の販促物だけで使う

 

よくある失敗3:文字が読みにくい色を選んでしまう

 

 

よくある失敗4:色を増やしすぎる

伝えたいことが多いと、色もつい増えてしまいます。

・悪い例:サービスごとに違う色を使い、ホームページ全体で7〜8色がばらばらに並ぶ

・良い例:使う色はベース・メイン・サブ・アクセントの4色前後にしぼり、違いは明度の差で表す

色の数が少ないほど、「この会社の色」が覚えてもらいやすくなります。

ロゴとの組み合わせについては、ロゴの色とフォントはどう選ぶ?ブランドイメージを伝えるデザインの考え方もあわせてご覧ください。

 

 

ロゴ・Web・印刷物で色を統一する方法

 

せっかく決めたブランドカラーも、使う場所によって色がバラバラでは意味がありません。

名刺は赤みの強い青、ホームページは紫寄りの青、看板はくすんだ青……となると、

お客様の中で「同じ会社」というイメージがつながりにくくなります。

 

色は「数値」で決めて共有する

ブランドカラーは、「青」「濃いめの緑」という言葉ではなく、数値で決めておくことが大切です。

言葉だけで伝えると、受け取った人によって思い浮かべる色が違うからです。

 

色の数値には、使う場所ごとに次のような形式があります。

 

・HEX(#から始まる6桁)・RGB:ホームページやSNSなど、画面で使う色の指定

・CMYK:チラシやパンフレットなど、一般的な印刷で使う色の指定

・特色(DICやPANTONEなどの色番号):看板や名刺など、決まった色をより正確に出したいときの指定

 

画面の色と印刷の色は、同じ数値を変換しただけでは見た目が合わないことがあります。

そのため、画面用・印刷用それぞれの数値を、見た目をそろえたうえで決めておきます。

くわしくは、RGBからCMYKにすると色がくすむ?印刷で鮮やかさを保つ色調整のコツで解説しています。

 

富士フイルム ビジネスイノベーションの解説でも、規定の色は近い色を選ぶのではなく数値で入力することが勧められています(カラープリント講座|富士フイルム ビジネスイノベーション)。

 

数値は「1色につき1行」で書き出す

 

 

数値を渡す相手と、渡し方

決めた数値は、色を使う人みんなに同じものを渡します。

 

・ホームページの制作会社・社内のWeb担当者:HEX の数値

・印刷会社:CMYK の数値と、特色を使う場合はその番号。あわせて、色が合っている印刷物の見本を1部

・看板・ノベルティの業者:特色の番号か CMYK の数値。素材によって色が変わるので、色見本での確認をお願いする

・SNS・資料をつくる社員:HEX の数値と、PowerPoint や Canva にそのまま入れられる形のメモ

 

 

まとめ|ブランドカラーは「伝えたいこと」から選び、ルールで守る

 

ブランドカラーを決めるときのポイントをふり返ります。

 

・好きな色ではなく、「お客様にどう感じてほしいか」から考える

・色相だけでなく、明度・彩度まで含めて印象を整える

・起業のときもリブランディングのときも、何を残し何を変えるかを決める

・1色ではなく、メイン・サブ・アクセント・ベースのセットで決める

・色は名前と数値で決め、カラールールにまとめて共有する

 

まずは、自社の「らしさ」を表すキーワードを3つ、書き出すところから始めてみてください。

 

 

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詳しくはブランディングのサービスページをご覧ください。

 

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