もくじ
なぜ?コンビニで、つい手に取ってしまうパッケージデザインの話
コンビニに入ったとき、買う予定ではなかった商品を、なんとなく手に取ってしまったことはありませんか?
新発売のお菓子。
期間限定のドリンク。
少し高そうなスイーツ。
「気になったから」と言ってしまえばそれまでですが、その「気になる」は、どこから生まれているのでしょうか。
もちろん商品そのものの魅力や価格、ブランドの知名度など、理由はひとつではありません。
しかし、その入口にあるもののひとつがパッケージデザインです。
今回は身近な「コンビニ」を題材に、パッケージがどのように人の視線をつかみ、商品の魅力を伝えているのかをデザインの視点から考えてみます。
コンビニの棚は「デザインの激戦区」
コンビニの棚を少し離れたところから眺めてみると、かなりの情報量があることに気づきます。
商品名、ブランドロゴ、写真、価格、味、期間限定、新商品、増量、キャンペーン。
その一つひとつの商品が、
「ここにあります」
と小さなスペースの中で主張しています。
つまりパッケージデザインは、単体で美しく見えればいいわけではありません。
実際に商品が置かれるのは、白い撮影スタジオではなく、たくさんの商品が並ぶ棚の中です。
ここがパッケージデザインを考えるうえで、とても重要なポイントです。
デザインするときには「このパッケージはきれいか」だけではなく、
棚に並んだときに、どう見えるか。
まで考える必要があります。
STEP 1|まず「見つけてもらう」
パッケージには商品の説明がたくさん書かれています。
しかし、その文章を読むためには、そもそも商品に目を向けてもらわなければなりません。
店頭での視線を調べた研究でも、商品を探し始める段階では、文章の意味よりも、形やコントラストなどの物理的なデザイン要素が注意を引きやすいことが示されています。
だからこそ最初に重要になるのは、
「読む」より前の「見る」。
たとえば、
- 周囲とは異なる色
- 大胆な余白
- 大きな商品名
- 特徴的な形
- 強い写真
- シンプルな構成
などは、棚の中で商品を発見するきっかけになります。
ただし、ここで注意したいのが、
「目立つ=派手にする」ではない
ということです。
周囲の商品がカラフルなら、逆に白一色のパッケージが目立つこともあります。
大きな文字ばかり並んでいる棚なら、小さな文字と大きな余白が異質に見えることもあります。
デザインで目立つとは、単純に足し算をすることではありません。
「周囲との違いをつくること」
とも考えられます。
STEP 2|一瞬で「何の商品か」を伝える
目に入った次に必要なのが、
「これは何だろう?」を素早く理解してもらうこと。
たとえば同じコーヒーでも、
「すっきり飲めそう」
「濃厚そう」
「高級そう」
「甘そう」
といった印象は、パッケージによってかなり変わります。
ここでは、
色 × 写真 × 文字 × 言葉
の組み合わせが重要になります。
黒や深い色を大きく使い、余白を取り、落ち着いた書体を使えば、プレミアムな印象をつくりやすくなります。
反対に明るい色、大きな商品写真、親しみやすい文字を組み合わせれば、気軽で楽しそうな印象になります。
面白いのは、消費者はこうした要素を一つひとつ分析しているわけではないことです。
「この書体だから高級そう」
と考えるより先に、
「なんとなく高そう」
と感じます。
良いパッケージは、この「なんとなく」を偶然に任せず設計しています。
STEP 3|「おいしそう」をデザインする
食品パッケージでは、商品の写真も重要です。
ただ商品を大きく載せればいいわけではありません。
湯気が立っている。
チョコレートがとろけている。
飲み物が注がれている。
果物から果汁が弾けている。
静止画なのに、前後の動きを想像できる表現があります。
こうした「動きを感じさせる表現」については、食品・飲料パッケージを使った研究で、視覚的な注意や鮮度の知覚、商品評価などに影響する可能性が示されています。
つまり、
写真は商品の姿を見せるだけではなく、食べた瞬間まで想像させるもの
とも考えられます。
デザインするときに「何を写すか」だけでなく、
見た人の頭の中に、どんな続きをつくるか。
ここまで考えると、写真の使い方も変わってきます。
STEP 4|情報には「順番」がある
パッケージには限られた面積しかありません。
そこに、
ブランド名、商品名、味、特徴、内容量、キャンペーン、キャッチコピー
など、たくさんの情報を入れる必要があります。
だからこそ重要なのが情報の優先順位です。
全部を大きくしてしまうと、結果的に何も目立たなくなります。
たとえば、
① 商品を発見する → ② 何の商品か理解する ③ 特徴を知る → ④ 手に取って詳しく見る
というように、見る人の行動に合わせて情報に強弱をつけます。
パッケージ上の要素について調べた研究でも、視覚的な目立ちやすさ、要素の大きさ、中央からの距離などが注意に関係することが報告されています。
「全部伝える」のではなく、
「どの順番で伝えるか」を設計する。
これもデザインの重要な仕事です。
「目立つ」と「選ばれる」は同じではない
ここまで読むと、
「とにかく視線を集めれば売れるのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、ここは分けて考える必要があります。
目に入ることと、欲しくなることは別です。
強烈な色で目立っていても、商品のイメージと合っていなければ選ばれないかもしれません。
高級な商品なのにSALE広告のようなデザインなら、本来の価値を下げて見せてしまうこともあります。
逆に、とてもきれいなパッケージでも、何の商品なのか分からなければ購入にはつながりません。
大切なのは、
目立たせることではなく、商品の価値に合った方法で気づいてもらうこと。
ここに「装飾」と「デザイン」の違いがあります。
コンビニに行ったら、少しだけ「棚」を見てみる
次にコンビニへ行ったとき、商品そのものではなく、棚全体を少し眺めてみてください。
どの商品が最初に目に入ったでしょうか。
なぜ、その商品だったのでしょう。
色でしょうか。
大きさでしょうか。
写真でしょうか。
文字でしょうか。
それとも、周囲の商品との違いでしょうか。
普段何気なく見ているコンビニの棚には、
「見つけてもらう」
「理解してもらう」
「興味を持ってもらう」
「選んでもらう」
ためのデザインが詰まっています。
デザインとは、ただきれいに整えることではありません。
人がどこを見て、何を感じ、その次にどう動くのかを考えること。
そう考えてコンビニの棚を眺めてみると、いつもの買い物も少し違って見えてくるかもしれません。
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「らしさ」が伝わるトーン&マナーを一緒に整理しながら、最適なビジュアルを設計していきます。
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TEMPRONTは、一度きりの制作で終わるのではなく、
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中長期でブランドを育てていきたい企業様にとって、「外注先」ではなく「パートナー」として並走できることがTEMPRONTの目指す姿です。
